キミの笑顔が見たいだけ。


くそっ。


なんで……。


好きじゃねーはずなのに、なんで春田のことが常に頭に浮かぶんだ。


なんで……こんなに感情が揺さぶられるんだよ。


あいつの前では、冷静でいられなくなる。


好きじゃねーよ……好きじゃ。


好きなんかじゃ……ない。


だけどーー。


認めてしまえば、胸に沸き起こる感情のすべてに説明がつく気がした。


俺は……春田のことが。


「好きなんだよな?春田さんのこと」


「ああ……そうだよ。悪いか、バカ」


「ははっ、やっと認めやがった」


「笑いたきゃ笑え……。俺だって、なんで春田なのかわかんねーし」


そうだよ。


わけわかんねー。


こんな短期間でこんなにも好きになるなんて。


俺が……恋をするなんて。


「笑わねーよ。お前も、やーっと恋に目覚めたか。嬉しいよ、俺は」


「はははっ、晶斗が初恋?マジウケる!」


「ぷっ、初恋〜!見た目チャラ男なのに、マジ可愛いよなお前」


「俺はそんなウブなお前が大好きだぞ」


マジでこいつら、楽しんでやがる。


うぜーな。


けど、まぁどうでもいい。


今は春田のことで頭がいっぱいで、言い返す気すら起きない。


春田の奴、なんで逃げたんだよ……。


俺って、そんなに嫌われてたのかよ?


あの時泣きそうになってたのは、俺が先輩に告られてるところを見たからじゃねーのかよ。


って、そんなわけねーか。


それなのに、春田にそう詰め寄った俺は相当イタイ。


春田はもしかすると、あの幼なじみのことが好きなのかもしれないもんな……。


はぁ。


「恥ずかしかっただけなんじゃねーの?春田さんてウブっぽいし」


「…………」


「んな落ち込むなって」


「別に落ち込んでねーよ」


そうだ。


落ち込んでなんかない。


それなのに、心が浮かない。


< 49 / 222 >

この作品をシェア

pagetop