幼なじみのフキゲンなかくしごと



手紙の件以来、あさひと顔を合わせることがないまま、6年の1学期が終わった。


あさひがあからさまに俺を拒んでいたから。


学校の前にいつもように家に迎えに行くと、あさひのお母さんに「先に行った」と言われた。


当然、あさひが俺の教室に来ることはなかったし、俺が押しかけても目も合わせてもらえない。



夏休みの前日、当てつけのように、あさひの前で他の女の子を遊びに誘った。

……そんなことをしたのは初めてで。



軽い気持ちだったのに、帰り際にこっそり振り向くと、あさひが泣いていた。

胸が締めつけられた。

また、傷付けた。ごめんって謝りに戻ろうと立ち止まったのに、やめた。


" もっと傷付けばいい " なんてひねくれた感情の方が勝ってしまったから……。


突き放しても、あさひは離れていかないって
心のどこかで思っていたのかもしれない。

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