正しい男の選び方
秘密のデート

金、土、日と三日間休んだので、月曜日からみっちりと仕事だ。
葉子のスーパーは週末は冷やかし観光客で結構忙しいので、この三連休はあまり歓迎されない。
その休みをとったのだから、月曜日は朝からしっかり出勤するのは当然のことであった。

月曜日の夕方、混み出す時間を何とか乗り切って、葉子は帰り支度をしている。

疲れた……足が棒のようになっている。

チリン
その時ケータイが鳴った。政好からだ。
最近、気軽にメッセージを送ってくれるので、何だか嬉しい。確実に親密になっていると葉子は感じていた。

   夕ご飯食べませんか?

夕ご飯か……
一緒に食べたいけれど、7時半を過ぎてしまった今、お腹はぺこぺこだし、3日間の疲れがあったので、遠くには行きたくなかった。
でも、せっかく政好が誘ってくれたのだし、とも思う。迷っていたら、続けてメッセージが飛び込んで来た。

   今、近くに来てます。この前の店はどうでしょう

この前の店?
一瞬どこだっただろう、と首をかしげてすぐに思い出した。
二人で食べた店はあそこしかない。浩平に連れて行ってもらって、政好を呼び出したあの店だ。

   了解。10分後には行きます

支度をして慌てて出る。


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