たった一つの忘れ物(仮)
あっという間に写真は灰となり、ベランダから風と共に舞うそれは、あたし達の思い出の全てを消し去っていった…

「…………」

ベランダの手摺りに手をやり、灰の後をじっと目で追う。

数時間、ずっと追い続けた。

「恭平…」

思わず口に出してしまう…

そんな事を言っても恭平は帰ってこない…

ずっと一緒に居れると思っていた。
あたし達は永遠の愛で結ばれているんだと…

そう思っていたのに…
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