水玉模様
「ね~瀬口ぃー?」

「んー?」

「暑いんだけどぉ~☆」

「あたしに言わないでよ…」

「あやねもぉムリ~。溶けるー」

「てかあやね、まだ始まったばっかだからね」

「ゔ~…」


あやねは口を半開きの状態にしていて、心底暑そうなのが伝わってくる。

まぁ無理もない。

今は6月で、5限目なんだから。

しかも外にいる…。


月に一度、あたしの通う高校では、日々の清掃とは別に“クリーンデー”というのがあって、5限目を使って生徒全員で学校中を清掃するという、それはそれは超嫌な行事がある。

「あやねは瀬口みたいに真面目チャンじゃないもん!頑張れない~っ!」

「別にあたし真面目でも何でもないし。時間が来れば終わるんだから、ウダウダ言わないの」

「瀬口のオニー」


あやねから“瀬口”と呼ばれているあたし、瀬口和奈(せぐちかずな)といいます。

横でブーブー言ってんのは、平川あやね。

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