水玉模様
篠田くんからのメールの一節に、目がとまった。

そうだった…。

もうすぐ高2も終わるんだ。

大学受験ともなると、やっぱ必死度もハンパないのかな。

そんなことよりも、みんなとバラバラになっちゃったら、寂しいかも…。

中学の時は、そこまでの感情はなかったけど。


そういえば…妹の和紗は、受験生だけど勉強してんのかな。

一生懸命勉強してる風には見えないけど、あたしも当時はあんなカンジだったのかもしれない。


瞬とは、自分でもびっくりするくらいラブラブで。

『あの日』が、お互いの中で大きかったんだと思う。


色々あったけど、過去の出来事をその一言に置き換えてしまえる事が、今のあたしの充実度を物語っていた。



「瞬…。」


あたしはこの幸せに、永遠を願ったーーー…。



まだ、壊れてしまうことも知らずに…。

壊れていくのは、枯れ葉が踏まれた時の様ーーー儚く、簡単だった。

あたしはそれを、止められなかった…。


留められなかった……。



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