東と西の恋

頬紅



一週間後…

本番当日の祭りの日。
私は珍しく滅多にしない化粧をしている。
もともと高校に入ると同時に仲のいい従姉に化粧道具をひと通り貰ったのだ。
その従姉に私はえらく気に入られていて、とても可愛がられている。
中学の頃よくその従姉と出かけていて、出かけるたびに強制的にメイクされ時にかわいい系、時に少し露出したもの、またある日はクール系など会う度着せ替え人形にさせられる。
まぁ私としてはオシャレが嫌いじゃないしというか好きだし、その従姉の事も好きだからされるがままになっていたんだけど。
化粧の仕方はその時覚えた。
話を戻そう。
衣装の雰囲気に合うように少し古風に目元に淡く朱を入れ唇には遠くからでも目立つように強めに真紅を入れてある。
舞用の少し活動するには不向きなきらびやかな美しい和服に身を包んでいる。
装飾品もつけて結構自分的にもいい出来だと思っている。もしかしたらいい出来過ぎたかもしれない。
道行く人々が私を見て振り返ったり頬を染めたりしている。
はっきり言おう。かなり目立っている。
ただ目立つ理由は私以外にもうひとつあって…。
それは、

「月華ちゃんえらいキレーやなぁ。
惚れ直しそうやわ。」

私にしつこく絡んでくる京都弁のイケメンでセクハラ変態ヤロー……。
そう、東雲彰が今私の目の前に何故かいる。
呼んだり祭りで舞う、何てことは一言も言ってない。
それなのに何故かここにいて私が無視したり睨んでも何食わぬ顔でしつこく喋りかけ絡んでくる。

「何でここにいるのよ。
私呼んだりしてないのに。」

「無視ですか。まぁええけど。
しいてゆうなら…
愛の力かもしれへんなぁ。」

イラッ!
語尾に☆がつきそうな答えにかなりイラッときた。

「落ち着け。コイツに怒ったって労力の無駄。そう、無駄!だから落ち着け落ち着け。」

「月華ちゃん心の声漏れとる、漏れとる。」

「あっそう。私これから仕事があるからじゃあね。」


「放置ですかいな…。でも応援しとるから。」

「……あっそ。」

そう言ったけ東雲の顔を見なければよかった。
そうしたらこんなに顔が赤くならなかったのに…。









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