<BL>  花と猫と蝶
こいつは、ムカツクし、嫌なやつだ。

でも、人のことをよく見てる。



「本当に、ムカツク奴だ。
愛与のこと、どこまで知ってる」


「10歳の時に親が消えたとかは知ってる」


「その時だ、俺が調理の道に進むって決めたのは――。

両親が居なくなって傷心してた、それで、
愛与のじいちゃんに教わって、初めて人のために料理を作った。

愛与は、美味しいって、言ってくれた。

それから、こいつの飯は俺が作るって決めたんだ。


だから、お前が、嫌なやつとかムカツク奴とかどうでもいい。


俺は、今、やりたいことは、

愛与と瑠佳の飯を毎日作ってやることだ。

あと、ついでにお前の分も作ってやる。


そして、『NEKOMIYA 』に来てくれたお客さんの腹を満たすことだ。


お前がどんな奴であろうが、
今の関係を崩したりはしねぇ」


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