二度目の初恋
ライバル現る?!後編
マンションを出ると丁度タイミングよくタクシーが捕まり

私達は乗り込む。

変装をしているせいか理人は堂々としている。

そして運転手に店の名前を告げる。

「お客さん、通だね」

運転手はご機嫌だった。

「運転手さんも行くの?」

理人がすぐに言葉を返す。

「あそこの餃子が大好きでね。でも場所が繁華街からかなり離れた場所にあるし
営業日より定休日の方が多いでしょ?だからなかなか食べれなくて」

「そうなんだよね。僕も知り合いから今日は営業してるって聞いて
 餃子食べたさに仕事頑張って早めに終わらせたんだ」

理人はとても嬉しそうに運転手さんと会話を弾ませていた。

私にはあんなに仏頂面なのに・・・


そして目的の場所に着くとなんと長蛇の列が出来ていた。

みんなラフな服装で遠くから来た感じがしない。近所の人っぽくて

並んでる人同士が会話をしている。

理人も迷わず最後尾に並ぶ。

芸能人が列に並ぶなんて想像もつかない私は

「並んじゃうんだ~」と呟く。

「並んじゃわりーのかよ」

タクシーの運転手との会話はどこへやら私に対しては相変わらず

感じ悪い。

「いや・・・勝手なイメージですが、ああいう仕事している方って割り込みアリって
思ってたんで」

「本当に勝手なイメージだな」

「すみません」

それから席に案内されるまで会話はなかった。

別に良いけどね・・・
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