二度目の初恋
時任さんには黙って頷けって言われたけど

やっぱり私の初恋をちゃんと自分自身で終わらせなきゃ・・・と

口を開きかけたその時

「悪―けど、俺の円に対する思いとお前のような親友レベルと一緒にしないでくれる?
俺は円を一人の女として大切に思ってんの」

時任さんは亮太に宣言するように言い切った。

すると亮太は安心したように

「お前の思いはわかったよ。邪魔してわるかった。円の事頼むな。じゃあお休み」

と言って奥さんと家の中に入っていった。


私たちはと言うと亮太達が家に入ったのを確認すると

大きなため息を吐いた。

「時任さん、あんな大嘘ついて良かったんですか?」

「仕方ねーだろ。お前がとんでもない事言おうとしてるって感じたから咄嗟に口からでたんだよ」

時任さんは私から離れると車にもたれかかった。

私って時任さんが気付くくらい相当顔に出ていたんだろうな。

でもいい加減けじめつけなきゃいけないと思ったし嘘をつかせてしまうまで

時任さんに迷惑かけたくなかった。

でも結局それは裏目に出たというか・・・

「状況をわきまえて行動しろ」とデコピンされた


「はい・・すみませんでした」

おでこを押さえて肩を落としながら頭を下げた。

「でも、今日亮太に会えて手間が省けたし。いいんじゃねーの?」

どんな手間?と思ったが言葉を飲み込んだ。


自室に入るとすぐにカーテンを閉めた。

窓を開けたらすぐ隣が亮太の部屋だから・・・


よく二人で話をしたっけ。

テスト週間の時なんかわからないところがあると

教えてあっこしてた。

それが当たり前で、いつか窓越しの会話から卒業して

同じ部屋で会話が出来るって思ったけど

それは叶うことがなった。

「あ~あ。しばらくはカーテンの開け閉めやめよっかな~」

いつになったら私はこの初恋に終止符を打てるのだろう~


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