ダブル王子さまにはご注意を!
デート?思い出巡り??




『ラーメンいけなくて残念! 明日ならどう? 勉強会終わるの昼過ぎだよね。なら夕方待ち合わせしようよ』

「………………」


好きな人が積極的に誘ってくれる。その事自体はひじょ~に嬉しい。LINEのやり取りも……だけど。


『ナツキちゃんってラーメン好きそう? お嬢様ならんな庶民的なもの食べないかな。誘うと迷惑かなぁ』

……コレさえなければ、ね。


『ナツキは忙しいですから、誘っても都合がつきませんよ』

『そっかぁ。やっぱり習い事とか忙しいんだろうね。お茶とかお花とか……日本舞踊とかやっていそう! 生粋のお嬢様ならそういうの厳しそうだし。気分転換や息抜きを教えてあげたいな。いろいろと』

『あ、でも。箱入りお嬢様なら親が厳しいよな~門限いつか知ってる? やべ、ぼくスーツなんて入社式以来新調してねえわ。青○に買いにいった方がいいかな~?』


……早乙女さん。あなたの頭の中では架空のナツキとどんな妄想ストーリーが繰り広げられてますか。


『すいませんが、知りません。まだそれほど詳しい訳ではありませんし、それに明日は勉強会以外予定があって忙しいので申し訳ありませんがラーメンは行けそうにないです』


何とかそれだけLINEで返すと、スマホを投げ出してベッドにうつ伏せる。


(なんか……どうでもよくなってきたかも……)


ため息とともに、しばらく早乙女さんとコンタクトはとるまいと決意した。

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