守神と大黒柱と示指?

5.長女の頑張り

お爺さんが生きていて、お婆さんも元気だった頃は、2世帯で別々に家事全般をやりながら、食事は1階で2世帯が一緒というパターンだったのが、お爺さんが亡くなった頃から、お婆さんは妻に頼ることが多くなってきた。

でも、自分自身の身の回りのことはできたし、妻が旅行や飲み会に行く時には、代理で料理も作ってくれたが、ある時からそれすらしなくなった。

何が食べたいのか考えられないし、気の利いたものが作れないからと言う理由なのだ。

前回、妻が入院した時でもお婆さんは料理をつくらなかった。

その時も、味はともかく、お婆さんに聞きながら長女が料理を作ってくれた。

今回は、そのお婆さんと妻の二人が交互に入院してしまった。

二人が入院した時には、お婆さんもいないので相談もできない。

自分と大黒柱と長男の3人分の食事をつくり、洗濯をして、干すところまでやってくれた。

これだけでも、助かります。

洗濯は時間が許す限り、妻と同じで夜でもやっていた。

長女も仕事を持っているので、これが精一杯だと思う。

掃除は、皆で散らかさなければ良いのだから…。

お風呂の掃除は大黒柱が引き受けた。

妻の退院の時に、長女が頑張ったことを言うと「えらい、偉かったね~!」と長女の頭を撫ぜている。

女は平気でそんなことを言えるし、行動に移せる。

男は中々気持ちを素直に伝えることはできない生き物なのだと思った。

それでも、妻がいなくなった分、長女との会話は増えたように思う。

  * 一方、大黒柱の家では、雲行きが怪しい!

1階の居間やお風呂場などの壁や洗面台の汚れが気になる。

長女は、きれい好きだから汚れには敏感で、小さな足跡のようだと言う。

また、1階の日本間は変な臭いが充満している。

そう言えば、1階でコーヒーを飲もうとするとコップの中に入れて置いたダイエットシュガースティックが無い。

無くなるのが早いなあと気づく!

さらに、そうめんが食い荒らされ、麺が袋の外に散らばっている。

パンは袋と一緒に食べられている。

ひとつ気になると、すべてが気になる。

絶対にネズミの仕業だ!
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