守神と大黒柱と示指?

2.さあっ、出発だ!

今日は新緑の季節で、旅立ちには最高な季節だし、お天気も快晴。

妻は、朝から隣近所に挨拶周りをしていた。

「しばらく夫婦で家を空けます。誰もいなくなるので…。」上機嫌な声だ。

家の駐車場には、白をベースに、オレンジ色を配色した「テントむし」が止まっている。

妻は、手荷物を持って、ウキウキしながら助手席に乗り込んだ。

大黒柱は玄関の鍵を掛けた。

その時「サツサーッ」と言う聞き覚えのある音。

エアコンの外気設備のところで、一瞬聞いたように思った。

不吉な音を忘れようと頭を振って、窓の戸締りも確認した後、テントむしに乗り込んだ。

テントむしの運転席には、愛犬レオが元気に動き回っていた。

運転席と助手席の間でじゃれて、出発を待っている。

大黒柱が、レオが外に出ないようにして運転席に乗り込みシートベルトとドア閉めると、
妻が「じゃあ、しゅっぱーツ!」と掛け声を掛けた。

大黒柱は、「忘れ物はないね?」と言いながらエンジンキーを回し、エンジンスタート!

駐車場を出たテントむしは、近所の人の見送りを受けて、いつも通っている道をゆっくり走っている。

妻は、何を考えているのだろうか?

ひょっとして、まだ手を振っているのでは?

妻の方を見ると。

もう、煎餅を出してポリポリ!

走り出したら、妻は遠足気分なのだろう。

愛犬レオは「クンクン」鼻を鳴らして、しっぽをフリフリ。

妻の夢の始まりだー!

テントむしは、外環道路から上に向かった昇り、高速道路の方向に向かって走り出した。

二人を乗せたテントむしは、幸せオーラが橋のように重なり、やがてその光は大きく膨らんで光のように輝き、周りの景色の中に消えていった。

光の余韻が残っている!


   *


テントむしが見えなくなって、大黒柱の家に目を向けると何やら小さーな動くものが見えるのう。

大黒柱の家の屋根の上。

ズームアップすると、まだ小さくしか見えない。

よくわからないので、最大にズームするとネズミだーツ!

ネズミが立ち上がっている。

テントむしの方に手を振っている!

その隣に、守り神が薄く見えている!

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