リナリア
「李蘭久しぶりー!」

一華が居酒屋の前で、勢いよく抱きついてきた。

私も久々で嬉しくて。

と、いっても明後日にはもうスペインに戻らなきゃいけないから。

ほんの少しの再会だけれど。

あくまでも今回の帰国は、仕事でだからあまり時間がとれなかった。

一華に腕を組まれて、みんな集まってるところに二人で行く。

「李蘭、びっくりするわよ~!ひとえにあんたの人徳よね。大学の時の友達みんな来てるの。」

えっ…?みんな?

『一華?女子会にしてって、私…。』

そこまで言いかけた瞬間、個室のドアを開けられてしまった。

何も考える暇もなく、中に入れられる。

中には…20人以上の友達が揃っていた。

「おお~!李蘭、おかえりー!」

「遅いよー李蘭!」

「スペイン行く前に送別会位させてよー!」

「「てか、李蘭、また綺麗になったー?!」」

最後は声がハモった。

『みんな、久しぶり!』

びっくりだけど、みんなに会えて嬉しい。

この際、琉架のことは考えないようにした。

いるかどうかも、はっきり見ていない。


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