リナリア
スペインに戻る空港にて。

一華が見送るってきかなくて、平日なのに来てくれた。

「チッ!遅いわね、アイツ。」

キレぎみに呟く一華さん。

『何のこと?』

「何でもないわよ。」

何でもないならいいけど。

何怒ってんのかな?

『結婚式決まったら、すぐ教えてね!式はムリでも、新婚旅行には途中参加するからね!』

「うん、約束よ?」

『一華、元気でね!』

「李蘭も。」

手を振りながら、ゲートをくぐりエスカレーターで下りる。

途中、私の名前を呼ぶ琉架の声が聞こえたような気がしたけれど。

願望が幻聴となった…?

頭を振って、切りかえて…全てをふっきって、日本を離れた。

もう未練もないわ。

思い出にできる。
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