リナリア
「君は結城琉架。今さら現れて、どうしたいの?りーはもう渡さないよ?ボクの宝物だからね。」

抱き締められてる力が強くなる。

こんな來は初めて見る。

いつもすごく穏やかだもん。

なんだかとてもドキドキします。

琉架を見ると、悔しそうな顔。

「ほら、こんなときも李蘭を自分の元に連れ戻せない。そんな弱い君は李蘭には合わないよ。きっとこれからも君が意思表示できない限り、李蘭とはうまくいかないよ。」

淡々と李斗が諭すように、琉架に言う。

その時、空気を壊すような陽気な声とパンパンと手を叩く音。

「さぁ!みんな、お庭でパーティーにしましょう!ライトアップしたのよ。琉架?あなたも来なさい。」

ママは琉架に優しい笑顔を向けて、みんなを急かす。

そうね、今日は一華と颯くんのお祝いだもん。

「李蘭、琉架を連れておいで。」

パパの穏やかな声がする。

パパはすっごく優しくて、怒ったところを見たことがない。

『琉架、行っても大丈夫?』

「ああ。オレは待つばかりで、どうしようもないやつだよな。李斗は間違ってないな。でも…李蘭を好きな気持ちは、ずっと変わってないから。」
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