リナリア
「どういうことよっ?来週、スペインって?!」

ギリギリで友達の一華に転勤の話をやっとできた。

一華は大学入ってすぐ仲良くなった子だから、当然琉架も知っている。

セフレとは知らないけれど、一華から琉架に転勤の話がいかないとも限らない。

私は何も言わないで、琉架から離れるつもりだったから、どんな形でも琉架には知られたくなかった。

無反応な琉架を目のあたりにしたくないのかもしれない。

「いつまで?!」

怒鳴るように聞いてきた一華が、少し冷静に聞いてきた。

『なかなか言えなくてごめんね。いちお、2年の予定だよ。』

2年だけど、私はもう戻るつもりはないの。

日本に戻る時は、フランスに行く時。

親の所に引っ越すつもりだから。
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