純愛小説家
8.カウントダウン
日本に戻って1週間。

俺はまだどこか、あの熱帯夜の余韻を引きずったまま。
藍田と打ち合わせをしていた時だった。


「なんか。お前も日焼けしてんな」
「…も?」
「や。昨日、一昨日かな。三嶋もいい色に焼けてたんだよなぁ~」


瞬間。


─やべ…


ドキッとた。

勘がいい藍田。


「そうなんだ」


もしかして、気づいたんじゃないか…って。


「海、行ってたらしいんだけど」


三嶋とのことは、もちろん誰にも話してなかった。


「へぇー…」
「うーん。まさかお前ら、一緒だったとか…」
「はっ?」
「なんて。あるわけねーか」
< 130 / 298 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop