俺様副社長のターゲット
尚輝が車から下りて助手席のドアを開けた。私は開けられたドアに外に出た。



「歩かないか?」



私は頷き、尚輝の隣を歩いた。



「煌太、会社の友達と寝たって。私は親友のように慕ってた友達なのに、私を見る目が憎しみに溢れてた。」



尚輝が私の手を繋いだ。視線を上げて尚輝を見た。



「俺が傍にいてやる。」


「尚輝先輩の隣は怖い。」


「守ってやる、今度こそ。」


「ふふっ、この前、社長に怒られたばかりだよ。無理でしょ。」



私がクスリと笑えば、繋がれた手を強く握られた。



「早く俺の秘書に戻れよ。」


「私に言われても困る。社長が決めた事だよ。」


「ちっ、親父。」


「社長には敵わないね?副社長。」


「はっ、言ってろ。」



尚輝のムスッとした顔に笑った。



「元気出たか?」



尚輝の言葉に小さく頷く。



「尚輝先輩、今日はありがとう。煌太とは………これで良かったんだと思う。」
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