俺様副社長のターゲット
「おはようございます、副社長。」


「おはよう、松井。」



朝のスケジュールを伝える。



「本日は14時から悠木ホールディングの悠木副社長との会議が入っております。」


「わかった。」


「悠木ホールディング本社での会議の為、13時半に車を玄関に回しますが宜しいでしょうか？」



資料から顔を上げた副社長の視線と交わった。



「松井、ランチをしてから行こう。11時半には出る。」


「では、そのように伝えて………。」


「いや、俺の車で行く。松井は同行しろ。」


「…………はい。」



私は頷くと副社長室を後にした。


最近、何かと副社長と食事に行く機会が多い。煌太と別れてから副社長は積極的に二人で出掛ける誘いをしてくる。


私は秘書課に戻り、メールチェックなどをして通常業務を進める。


目の前にある電話が内線を知らせる。私は受話器を取れば、案の定、副社長だ。
< 162 / 229 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop