俺様副社長のターゲット
そんな声もほろ酔いの私には子守唄のようだ。快適な車内に眠気が訪れる。


目を閉じれば、すぐに眠りに襲われた。









「………かり、あかり、朱里。」


「ん?」


「起きないとキスするぞ。」



私は一気に頭が覚醒した。パチリと目を開けて周りを見渡す。



「着いたぞ。朱里は飲むと寝るよな。」


「あっ、ごめん。尚輝先輩、ありがとう。」


「気持ち良さそうだったぞ。挨拶だけしていく。」


「へっ?いやいや、挨拶はいらない。もう帰るから。また明日ね、尚輝先輩。」



「挨拶していく。遅くなったし。」


「いやいや、いらないから。」



私は車から降りれば、尚輝も車から降りてきた。



私を通り過ぎて玄関に向かっている。



「ちょっと尚輝先輩。」


「ほら、開けろ。遅くなったし、挨拶だけする。」


「いいから。もう帰れば?」



玄関で揉めていれば、またもや中から鍵が開いた。
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