俺様副社長のターゲット
注文を終え、チラリと窓の外に視線を向ける。すっかり日は落ちていた。



「もう夜だね。」


「ククッ……、なんだそれ。」


「明日から一週間が始まるねって事よ。ああ~、毎日煌太の家に行かないといけないし。ってか、尚輝先輩のせいだから。」



目の前に座る尚輝を睨めば、クスクスと笑っている。



「彼氏に会いたそうじゃないな。」


「家が遠いの。昨日、あまりに怒ってたから頷くしかなかったのよ。」


「付いていってやろうか?」


「止めて。只でさえ、尚輝先輩と出掛けるなって言われてるんだから。」


「秘密だな。」



尚輝を睨めば、クスクスと笑っている。



「尚輝先輩、楽しんでる?」


「いや。でも朱里の気持ちも分かったから。」


「私の気持ち?」


「朱里、そんなに彼氏が好きじゃないだろ?」



ニヤリとする尚輝を睨んだ。



「好きです。尚輝先輩の考えはハズレです。」
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