夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

「……んだよ。無欲だな。
そんなん、
お願いにもお祝いにもなんねぇじゃん。」

ヴァロンはフッと笑って、
上着を脱ぎ捨てると腕捲りをする。


「…で?約束組手?自由組手?」

「自由組手にしましょう。
思いっきり身体動かしたいんで。」

ヴァロンの問い掛けに答えながら、
私も上着を脱いで腕捲りをして微笑んで見せた。


「…分かった。
手加減しねぇからな、シュウ。」

私の返答を聞いたヴァロンは、
指をバキバキ鳴らして本気で構える。


普通は視力が落ちた上に、
十年以上ブランクのある相手に…有り得ない。
「大丈夫なのか?」とか、心配する所だ。
それを、
遠慮もなしに本気で相手をするヴァロン。


「望むところですよ、ヴァロン。」

人を哀れんだり。
手を抜いたり。
同情したり、しない。

そんなところも、また好きになってしまう。
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