夢の言葉と虹の架け橋【夢の言葉続編①】

(4)

【夕方】

「あ〜ヤバッ…。
笑顔作り過ぎて表情筋いってぇ〜…。」

ヴァロン君はボトルの水を飲みながら、
片手で自分の頰を摩る。
その姿はすっかり無邪気な少年とは変わっていて、一仕事を終えた…まるで同僚の様。


「あ、あの!ありがとう。
何かお礼…!お礼するよっ…!」

感謝の気持ちをなんとか伝えたくて、そう申し出る僕。
でも、ヴァロン君は自分の顔の横に飲みかけの水ボトルを並べて言った。


「いいよ、別に。これ貰ったじゃん。
それに俺が楽しんでやった事だし。」

そう、
サラッと言う彼はすごく輝いてた。


「あ〜。でも予定では、
あと1時間早く完売させたかったな〜。」

目標を常に高く、
何事も向上心に変える…力。

ヴァロン君が夢の配達人になる姿を、
僕はすごく見たいと思った。
そしてあのリディアさんが、
こんな小さな彼を弟子にした意味が…分かる。
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