スーパー丸尾ブラザーズ
ちょっと前までは、星川からチョコレートが欲しかったんだけど、秋に転校してしまったからそれは無理になってしまった。

両思いって聞いていたけど、本人から聞いたわけじゃなかったから、確かめたかった。

チョコレートをもらえたら、両思いのことを確認できたのに。


星川が転校するときにみんなにくれた2本の鉛筆は、大事に家の机の引き出しにしまってある。

風馬や、他のクラスの人のほとんどはそれを使っているけど、鉛筆は使ったらなくなってしまうから、もったいないし、オレは使わないことにしたんだ。


クラスに星川がいなくなると、オレはもう星川が好きだって気持ちは、なくなってきたんだと思う。

風馬もそうだ。今は3組の佐々木さんが好きみたいだから。


オレはまだ他に好きな人ができてないから、たまにこうして星川のことを思い出すんだけど、もう会うことはできないし、どうしようもないんだ。


それでもテレビに東京の様子が映ると、星川の事を探してしまう。

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