アラビアンナイト


ジェイクを前にすると自分がどうしていいかわからなくなる。

その上、同級生たちからの意味深な視線や陰口に一日中さらされるのかと思うと、心の中ですら乾いた笑いが止まらない。

「よーっす!」

ひとしきりブルーな気持ちに沈んでいると、突然後ろから聞き慣れた声がした。

チラッと振り向くと健太がうらやましいくらい爽やかな笑顔を浮かべながら片手を上げていた。

「はよ。朝から元気そうだね…」

「おう!そういうお前は今にも死にそうな顔してるけどな!ハハハッ!!」

私の横に並んで歩きながら健太が大笑いをする。
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