アラビアンナイト


驚く斧田さんに特に説明することもなく、ジェイクと奏太は英語でやりとりしながら数学の問題を解き始めた。

当の斧田さんは状況を飲み込むと特に食いさがるわけでもなく、自分の手元の問題集に取り掛かった。


私が気にすることでもないけど、斧田さんはジェイクがどんな対応をしようと、いつもめげずに近くにいる。

凄いな、と思う反面、私にはない種類の行動力を羨ましく思う。

その斧田さんの行動力を意にも介さず我を通しているジェイクの姿を見ると、嬉しいというか、なんとなくホッとするというか…。

とにかく、斧田さんとジェイクの組み合わせを見てモヤモヤするのとは反対の気持ちになったのは確かだった。


< 382 / 713 >

この作品をシェア

pagetop