アラビアンナイト


釈然としなかったけれど、2人の目的がイマイチわからないし、この場は指示に従うことにした。

「今からセリム君がここに来るわ。私たちが彼にいろいろ質問するけど、貴女はセリム君がこの場を離れるまで絶対に動かないでほしいの。もちろん声を出すのも遠慮してちょうだい」

一方的にそう言うと、私を下から2つ目の踊り場まで登らせて、斧田さん1人が地上に戻っていった。

斧田さんが戻るのを見て、女子Aさんがどこかに電話をしている。

そしてそこから数分は静寂が続いた。

< 530 / 713 >

この作品をシェア

pagetop