アラビアンナイト


違っているかもしれない、と思うからか、小さめの声しか出なかったけど、それでも奏太はきちんと聞き取ってくれたらしい。

「間違ってないよ、ありす。
ありすはジェイクのことが好きなの?って聞いた。
もちろん恋愛感情的にってことね」

私の不安を丁寧に取り去ったあとで、同じ質問をもう一度してくれた。

ダメ押しの一言も付け足した上で。

「れ、恋愛感情って!!」

私は思わず吃っちゃったけど、慌てふためく私と違って、真剣な顔をした奏太は落ち着き払ったままだった。

冗談だったり、私をからかって聞いているんじゃないってことがヒシヒシと伝わってくる。

ゴクッ

もう一度喉が鳴ったけど、今度はそれを気にしている余裕はなかった。

心友の奏太が真剣に聞いているんだもん、私も真剣に答えよう。
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