アラビアンナイト


そっか、バーベキューの準備を仕切るのは私と忍ちゃんだから、

”みんな揃ってるよ”

って報告に来てくれたんだね。

ジェイク、点呼係だもんね。


当たり前のことなのに、ジェイクが私に声をかけてくれた理由が、私だから、じゃなくて係から係への連絡ってことにがっかりした。



私の頭の中、おかしくなっちゃったのかな?

考えることが恋愛がらみのことばっかりだから、何でもかんでも恋愛事情に関係することに捉えちゃって…。

今だって、ジェイクが私に声をかけてくれたのは、私のことを気にかけてくれたからじゃないか、とかちょっと思ってた。

それが違っていたから勝手にがっかりしている私。

うん、やっぱり頭がおかしくなってる。

ほら、ジェイクだって、私がすぐに返事しないから困ってるよ。

「ありがと!いっぱい歩いてみんなお腹空いてるよね!?
すぐに準備に取り掛かるね!」

精一杯の作り笑顔を貼り付けて言うと、私はジェイクから逃げるようにして忍ちゃんのところへと走った。




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