Turquoise Blue 〜空色のベース〜


笑い声が
階段を上がってくる音がする


先輩は手を引っ込めて
そっちを向いてしまった




「あ〜〜!?加藤先輩?!」

扉を開くなり
ユリちゃんが奇声をあげた

続けてシノも

リナはさーっと机に向かい
鞄の中をいじっている



(…珍しいなあ
いつもなら『○○〜ぅ!!
来てたの〜っ?!』って
飛び付くのに



マキちゃんだけ
軽く笑って、加藤先輩にお辞儀

なぜか加藤先輩も
マキちゃんにお辞儀した


「真木先輩には
今回お世話になります」


「いえ 兄貴のする事で
私がするわけじゃないですから
頭あげてください」




シノが興味津々で
マキちゃんに張り付く

「え え なになに?!
って知り合い?!」


マキちゃんは答えなくて
加藤先輩が答えた


「オレ、東京出るんで
タカコちゃんのお兄さん
真木先輩に
向こうでの住む所とか
世話して貰ったんだよ」


シノは一年生から生徒会だから
加藤先輩と
行事で話し合ったりして
面識があったりする




「先輩、東京いっちゃうの?!
天ぶら屋さんは?!」

ユリちゃんちは八百屋さんで
加藤先輩の家の近くだ


「…25歳までって限定つきで
許して貰った」



マキちゃんが
いつの間にか、シンバルを
運んで来ていた

慌てて皆も倉庫に向かう





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