クールな総支配人の迷子注意報?

涙が溢れて止まらない。

すると総支配人は、複雑そうな表情をする。
「違う!!俺は、惨めな君を抱いたんじゃない。
ずっと君のことが好きだったからだ」

「えっ……?」

私は、驚いて総支配人を見る。
クールな時と違い頬を赤く染めていた。

「いつから……ですか?」
総支配人が私に気があるとは、奈々恵が言ってたが
本当に私のことを……?

半信半疑だった。

「最初に……フロントスタッフとして働き出したとき
あんな風に俺を必死に捜しに来てくれたり
笑ったり、怒ったりしてくれる女性は、
初めてだった。
だが君は、小山さんを好きだと気づいて。
どうしても諦め切れなくて……こうやって度々
理由をつけて迷っていたんだ!
君に近づく理由が欲しくて……」

えぇっ!?
ちょっと待って。

混乱する頭の中を必死に整理させる。
じゃあ総支配人は、私に近づく理由がほしくて
わざわざ自分から迷いに行っていたってこと!?

「な、なんで、そんなめんどくさいことを……」
私は、思わず口に出してしまう。

普通に近づいて話しかければいいじゃない?
何故そこまでしてきっかけを作ろうとするの??

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