クールな総支配人の迷子注意報?

その後。
私と総支配人は、本当に恋人同士になった。

周りもやっぱりかとか色々と噂が流れたりしたが
変わらない日常を過ごす。

そして総支配人は……

「あ、総支配人じゃなかった。海人さん。
またこんなところで迷子になってたんですか!?」

「若葉か……。迷子と言うな。
ちょっと、健康作りのために階段で行ったら
道に迷っただけだ」

「いや、それが迷子だと言うんです!」
私は、きっぱりと言い切る。

総支配人の方向音痴は、相変わらず続いていた。
本人は、今までわざとやっていたと言い張るが
どう考えても違うと思う。

「大体、自分が経営しているホテルで
迷子になる訳ないだろう!?いくら俺でも
それぐらいの学習能力はある」

「じゃあ、今……何階ですか?」

「5階だろ?」

「違います。6階です!!
ほら、やっぱり方向音痴じゃないですか!?」

どうやら総支配人は、
筋金入りの極度の方向音痴らしい。
本人は、自覚がないからたちが悪いけど……。

まったく。
総支配人の迷子は、要注意だわ。

< 66 / 78 >

この作品をシェア

pagetop