君に初恋………ー母の遺した宝物ー
「俺は別に…。」


小さく聞き取りにくい声で呟く、廉の頬がほんのり赤くなる。

優瞳から目をそらす廉。


「廉くん!また、明日ね。また、話そう。」


俯き気味の背に、声をかける優瞳。


一瞬、背筋が伸び振り返る廉…………


ああ、と少し笑っていた。



片手を上げ歩き出す廉の後ろ姿を眺める優瞳がいて。


複雑な心境な自分がいて

何も知らない流愛が、困惑してる様な表情で廊下を行ったり来たりしている。



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