君に初恋………ー母の遺した宝物ー
「そろそろ昼飯食うか?」

朝は病院食を食べてきたけど昼は食べてない。


アイスだけぢゃ、腹の足しにならず提案した。


「うん、その前にお手洗い行ってくるね」と、言って離れて行った。


フードコートにはたくさんの店がある。

ちょうど昼時。

やはり、考えることは同じでかなりの人数いる。


しかし、優瞳がまだ来ていない。


フードコートからトイレまでは目と鼻の先。


様子を見に行くか、と椅子から立ち上がる。
「……………ッぃ…ゃ、誰か……」


ん…?

トイレから死角になる角に、なんだか聞き覚えがある声が、聞こえた。


小さな悲鳴…………ー


大柄の男が、壁に手を付き女の子にジリジリと近づいている。


見覚えあるフワフワの髪。


華奢な腕を、抑え付けられて


震えていた優瞳だった。



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