― BLUE ―
4.おかしなふたり


◇◇◇◇◇◇


夕焼けをふたりで見た日から、杉本はたびたびあたしのバイトあがりを待っている。

店に顔を出すときもあれば、突然外にいるときもあった。

だけどやっぱりそれは、約束されたことではない。

だから相変わらず携帯のディスプレイには杉本の名前が標示されることはなかった。あたしの予定があるときは、それじゃあと去っていく杉本だ。

“たまたま”だけが、あたしたちを繋いでいるような気がした。

そして今日は市外まで出て大きな本屋にいる。購読している月刊誌の発売日なのもあるけれど、そんなのは近所の本屋でも買うことができるのに、はるばるやってきた。

どうせ本屋に寄るなら大きいところに行きたいと杉本がいった流れから現在に至る。

お互い見たいコーナーは違うから、だだっ広い本屋の中でも別行動だ。目当ての月刊誌とファッション誌を手に取り、辺りを見回してみるも杉本の姿は確認できなかった。

すると突然背後から声を掛けられる。

「マコじゃん!!!」

「あ、あーー!!!美耶!!!!」

「すごい偶然だね〜」

「なんか久しぶりだよね!」

美耶は同中出身の千草と一緒だ。
クラスは違うけれど同じ高校なのと美耶の友だちだということもあり、何度か話したことがある。

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