― BLUE ―

「なんかさ。すごいタメになった。早く大学生になりたいっ」

「あんた彼氏に怒られるよ」

「いいのいいの」

「てか連絡あったら会うの?」

「どうしようかなー」

「ねえマコはどうする?」

「——へ?」

「だめだこりゃ」

「マコときどき宇宙と交信してるから」

「なにそれちょっとーー」


わいわい喋りながら歩く。
夏祭りって不思議な空間だ。

同じ学校の子らを見かけたり、同中だった子らとも久しぶりに顔を合わせたり、咲と遼汰の姿も見た。
軽い同窓会みたいなノリで、人の輪が大きくなったり小さくなったりを繰り返しつつ時間は過ぎて行った。


そして次の日。
またその次の日。


ずっと杉本はあたしの前に現れない。
夏休みに入ってから、あたしたちを繋いでいたのは杉本の"たまたま"だったんだと気付いた。映し出されることのない"シン"の文字。

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