クールで強引な王子様

「何笑ってんだよ…。」

「ごめんごめんっ!ついっ…あははっ!
矢川君って思ってた人と全然違くて気が抜けた…ふふっ!」

矢川君は冷たくて他人に興味なんてないと思ってた。
けど、本当は違った。
優しくて温かい人。


「…あぁ!!
笑いすぎ。
俺どうな風に見られてたわけ?」

「冷たい人って思ってたけど全く違ったの。
矢川君は温かい人だね。」

「冷たいって…べつに、俺は冷たくねぇし。
ただ人と余計に関わるのが面倒なだけ。」


少し悲しげに俯いている彼に思わず頭へと手が向いていた。

ーポンポン

「っ!?
なにっ!?!?」

「ごめんね!
なんか体が勝手に!
矢川君…寂しそうだったから…。

矢川君が良ければ私と友達になってください」


矢川君と同じ目線になり、そっと呟いた。

「っ!!
どうしても友達になりたいっていうならなってやってもいい。」

照れるように目線を逸らしながら言う矢川君を見て、私は心が温かくなった。

人と関わるのが嫌なんじゃなくて、ただ素直になれないだけなのかもしれない…。

その後、私と矢川君は同じ帰宅道を二人で歩いて帰った。

私、城崎天は、今日学校の王子様矢川悠真君とお友達になりました。


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