クールで強引な王子様
第二章

涙を流した王子様


矢川君と遊んだ日を境に、夏休みは坦々と過ぎていき、本日は夏休み明け初日。


「矢川君と会うの久しぶりだなぁ。」


そういい微笑んだ。

智恵とは何回か遊んだ。

矢川君とはあれ以来会っていない。


私はルンルンとした気持ちで学校へ向かった。


「あ、智恵おはよ!」

「天!はよ!」

校門近くで智恵の姿を見つけ声をかけた。

声をかけてから気付いた。
智恵の隣に生徒会長さんがいることに。

「あ、おはようございます。」

「君が噂の天ちゃんか。

おはよう。」

波田先輩は聖君と少し似ているけど、大人びた顔立ちをしている…。

「噂…ですか?」

私は分からず首を傾げた。

「智恵と聖からよく君の話を聞くからね。
智恵と聖をこれかもよろしくね。」


そういいニコッと笑った。
そういうことか。

一体どんなことを話したのだろう。


「は、はぃ!

智恵!先に行ってるね!

先輩失礼します!」


そう言い残し私は教室へ向かった。

先輩と智恵、お似合いのカップルだなぁ。


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