クールで強引な王子様

「はぁ…。
お前はやっぱり変わってるよ。」


「えっ…?」


矢川君は一つ息を吐き口を開いた。

「俺の親、結構前から別居しててさ。
そんでこの前離婚が決まった。」


「そんな…」


矢川君の両親が離婚…。


「俺さ、素直じゃねぇから、母親に冷たく当たっちまったんだよ。

そして、『あんたなんて産むんじゃなかった』って言われた。

正直驚いたよ。血の繋がった子供にあんなこと言えるなんてな…。」


自笑するように笑った矢川君はとても苦しそうで、悲しそうだった。

私だったら凄く辛くて泣いてしまう。

なのに、矢川君は涙を堪えてる…。


< 30 / 38 >

この作品をシェア

pagetop