彼岸花。
すると、ふと目についたのは彼女と2人で撮った写真。


付き合って4年目の祝いで撮ったものだった。


嬉しくて、飾っていた写真。


嬉しかったはずなのに、今は、すごく悲しかった。


もう、ここには置かないでおこうか。


そう思って写真に手を伸ばしたけれど、僕にはできなかった。


こんな写真、見ても辛いだけだ____。


そう思っていた。


たしかに、見ても辛かった。


でも、見た瞬間に彼女との思い出が頭をよぎる。


初めて出会った高1の春も、


初めて手を繋いだことも、


初めてキスをしたことも...。


全部、全部鮮明に覚えていた。


気づくと、涙が零れていた。


「どうしてこんなにも、君を愛してしまったんだろう」


写真で笑っている彼女の頬に手を当て、僕は微笑み呟いた。
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