あの日の私たち。
そんなホッコリした気持ちでバスに乗って、さぁバス停で降りたとき、ある事に気づいた。
そう。ここのバス停、家まですっごく遠回り。
私は呆れて歩いて帰ろうとした。
「バス停、間違えちゃったね…。よし!私頑張って歩いて帰るね!今日はほんとにありがとう!じゃぁ…」
「何言ってんだよ。家まで送るから。何をもうバイバイみたいな事言ってんだよ。ほら。香菜の家まで一緒に歩いて行くぞ!」
「え。そんな。だって時間ももう遅いし、お母さんも心配するよ?」
そう。私たちはまだ小学生だから、親の心配などもあってあまり自由には動けない。
「大丈夫だって。今、もう遅れるって連絡したし。ってーかまず、もっと一緒に居たいって思うのは、俺だけか?」
「えっ。そんなの。私だってそうだよ…?」
「よし!じゃあ家まで歩こう!」
「ほんとにありがとね!」
「おう!」
私たちは、そのまま歩いて他愛のない話をしながら私の家へ向かった。

「もう終わりかー。」
「そうだね。でも、ほんとに今日は楽しかったよ。Sといたら、あっという間に時間が過ぎちゃう。」
「そ、そうか?あ、ありがとうよ。」
「なに焦ってるのー?笑」
「べ、別に焦ってなんかねーよ。」
「なんか顔赤いし。笑」
「もう分かったから!はい!じゃー俺そろそろ帰るな!今日はありがとな!じゃあな!」
「こちらこそ、ありがとね!じゃあね!」

今日はほんとに楽しかった。
こんな彼氏がいるってほんと幸せだよ。
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