眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「頑張るだけじゃダメだってわかってる?」

「……はい」

「まともに勉強できないほど家事に追われてるんだったら、僕がごはん作るけ
ど?」

「それだけは勘弁してください!」

そ、それは恐怖の罰ゲームだ。
なにを食べさせられるかわかったもんじゃない。

このあいだのオムライスは奇跡的になんとか食べられたけど。
料理音痴のなつにぃはレシピ見ながら作っても、怪しげな料理ができる。

「まあ、ごはんは冗談だけど。
洗濯とかごはんの後片付けは僕だってできるし。
無理なことはなんでもいって。
僕たち、夫婦でしょ?」

「……はい」

「またー、そんな顔して。
責めてるんじゃないよ。
ゆずちゃんは頑張り過ぎ。
もうちょっと頼って?」

「……うん」

なつにぃの手が私のあたまを撫でる。
おかげでちょっと、気持ちが上向いた。
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