眼鏡とハンバーグと指環と制服と
なんで、月原先生じゃなくて、城崎先生が話すんだろ?
やっぱり、なんか……したのかな。

ちなみに城崎先生は生徒指導の先生だ。
だから、悪い予感しかしない。

悩みながらも制服に着替えて、結局お昼ごはんは食べずに家を出た。
食べる時間もないし、それに食欲なんて全くなかった。


学校に着いて下駄箱で靴を履き替えようとすると、もうすでに城崎先生が待っ
てた。
無言で促されて連れてこられたところは、校長室だった。


中に入ると、校長先生と教頭先生、学年主任の先生も。
その前に立たされていたのは、月原先生。

私が中に入ると、城崎先生はドアを閉めた。

「正月休み中に、月原先生と七尾が、福岡市街で親密そうに一緒に歩いている
ところを、見た人がいるのだが」

城崎先生の言葉に、血の気が引いていった。

博多は遠いから、そんなに行く人もいないし、人が多いから大丈夫だと思って
た。

そんな考えは甘かったんだ。

「兄として、妹と買い物に出ていました」

「……兄として?」
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