眼鏡とハンバーグと指環と制服と
ただ、反対に私たちが頑なに兄妹主張してたことの方が、何故か驚かれてた。


すぐに香織ちゃんが、密告した人たちを見つけてきた。

別のクラスの、月原先生の隠れファンクラブの人たちだったらしい。

「しかし、そんなことしたら反対に、月原を困らせるだけだとか、思わないの
かね?」

「亜紀、甘いわよ。
坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、だっけ?」

そういいつつも、亜紀ちゃんも香織ちゃんも呆れてる。

ちょっと女って怖いな、とか思うのは私だけ、なのかな?


三学期が始まって、月原先生のところに行くときは、必ずどっちかか、ふたり
ともについてきてもらうようにした。

二人っきりにならないようにの配慮。

亜紀ちゃんたちなら、もし変な話しちゃっても、聞かれても大丈夫だし。
いまさらながら、結婚のこと、告白しといてよかったと思う。

そんな状態で修学旅行が目前に迫っていたけれど、……ひたすら憂鬱でしかな
かった。
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