眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「なにやってんの?」

「司書さんに頼まれて、プリントのホチキス止め」

「おまえ、しょっちゅう誰かに頼まれて、なんかやってるよなー」

……ううっ。
事実だからなにもいえない。
何故か頼まれやすいんだよねー。
普段は亜紀ちゃんが結構ガードしてくれてるから、そうでもないけど。

「ホチキスもう一つないのか?
手伝うから貸してみ」

「いいよ、もう終わるから」

「いいから。
貸して」

「……はい」

仕方なく、安藤くんにホチキスを渡す。

図書室のちょっと奥まったとこにある、いまいる席はまわりを書棚と壁に囲ま
れて、ちょっとした個室みたいになってる。

そんなとこに安藤くんとふたりきり。

……というか、安藤くんはちょっと苦手だ。
二学期も私の隣だったけど、三学期も私の隣。
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