眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「歳、酷いー」

夏生はえぐえぐと泣き出してしまったので、慌ててハンカチを出して渡す。
泣いてる夏生を乗せたまま、私たちは近くのショッピングモールへと出発し
た。


中では別行動、といいつつも着いてのお昼は一緒だ。

笑顔の夏生とは反対に、亜紀ちゃんの目が怖い。
夏生もそのことに気が付いたのか、隣に座る歳にぃの背中に半ば隠れてた。

……まあ、歳にぃに邪険に追い払われてたけど。

ごはんを食べて別れて……三人同時にため息。

「……ごめんね。
うちの旦那があれで」

「……夕葵、いつも苦労してるのね」

「……月原もちっとは、危機感持ってていうんだ」

「……うん。
ほんと、ごめん」

ふたりが慰めるように私のあたまを撫でる。

……ほんと。
自分のことになると、なんであんなにゆるーくなっちゃうんだろね?
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