眼鏡とハンバーグと指環と制服と
「……うん。まあ、びっくりしたけど。
怒ってないからいいよー」

勇にぃと歳にぃがあやまると、やっとなつにぃはいつもみたいにふふって笑っ
た。

ふたりが帰ると、ちょいちょいって手招きするから、並んで一緒にソファーに
座る。
座ると、私の胸元からチェーンを引っ張り出して、指環を抜き取った。

「手、出して?」

首をこてん。

今日は迷わず、左手を出した。

「うん」

私の左手の薬指に指環を嵌めると、自分の手にも嵌める。
そして、指環の嵌まった左手を、私の左手の上に載せた。

「ゆずちゃんは僕の奥さん。
僕はゆずちゃんの旦那さん。
いい?」

「うん」

「夫婦の間で今後、嘘ついたり、隠し事したり、しない。
僕はゆずちゃんとの約束を絶対に破らない。
なんでもゆずちゃんに話す。
だから、ゆずちゃんも不安なこととかなんでもいって?
今回みたいなことは、なし。
ほんと僕、生きた心地がしなかったんだから」
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