御曹司と偽装結婚はじめます!
彼はそう言いながら今度は別の部屋に行き、救急箱を持ってすぐに戻ってきた。
「そこに座って」
大きな革張りのソファを指差した彼は、私を座らせるとすぐに膝を確認している。
「傷は浅そうだ。すぐに治るだろうけど、念のために消毒するよ」
彼にそう言われひどくしみることを覚悟したのに、それほど痛くはなかった。
「あとはこれを貼っておくといい」
「ありがとうございます」
彼は私に絆創膏を貼ると、すぐに立ち上がった。
「他に痛いところは?」
「ありません」
ケガは膝だけで済んだようだ。
「それじゃ行ってくる」
「よろしくお願いします」
私の手の中の子猫の頭を撫でてから、彼は出ていった。