白と黒〜2つのリストバンド〜
1
タン タン タン───ダンッ!シュッ


「ナイスシュー」


私は静かに手をたたいた。


朝の体育館で1人私は女子バスケ部を見ていた。


入学当初からよくこうやってバスケ部を見に来ていて、いつの間にか習慣になっていた。


「あ、栞奈ー」


下のバスケ部の中からクラスメイトの美久が手を振った。


私が振り返すと美久は嬉しそうに笑った。


私は少しだけ見て教室に戻ってきた。しばらくすると部活が終わった美久たちも戻ってきた。


すると、美久が私の机に来た。


「栞奈ー」


美久はすこし甘えたような声を出した。


「ん?」


「バスケ部の助っ人入って〜」


「え?どうして?」


「人数が足りなくて大会に出れないの〜お願い〜」


美久は顔の前で手を合わせて私に頼んだ。


「…」


やりたくはないんだけどなぁ…


「ダメかな?」


< 1 / 52 >

この作品をシェア

pagetop